ウレタン舗装

ウレタン舗装は、適度な弾力性を持つことで衝撃を吸収し快適で安全な走行感が得られるため、陸上競技場やテニスコート、ジョギング走路等に使用されている舗装材です。100%ウレタンだけで構成されている舗装材やゴムチップをウレタン樹脂でつないで固めた複合タイプなどさまざまな種類がありますが、陸上競技場ではサーフェイス(舗装材)に、より高度な品質と施工が求められます。日本体育施設では、陸上競技に適したウレタン舗装材として、より高品質な素材を用いた製品をご用意しています。

product.01 レオタンαエンボス記憶に残るサーフェス

陸上競技場の走路が全天候型のウレタントラックに推移した当初は、表面にチップを利用するチップ工法が主流でした。しかしこの工法は、表面でチップがぐらつくのでエネルギーロスが多く、表面凹凸が大きいため汚れやすいといったデメリットを抱えていました。

こうした問題を克服し走行感と記録向上性、耐摩耗性を飛躍的に向上させたのが『レオタンαエンボス』です。

レオタンαエンボス
の特徴


『レオタンαエンボス』の工法は、表面仕上げにチップを一切使用せず、独自のスタイルで凹凸を作り上げるので、キック時のぐらつきやブレがありません。そのため、走行感が素晴らしく、好記録を狙えます。
また、αエンボス工法で施工されたトラックは、表層が下層と一体化しているので、表層の強度が非常に高く、耐摩耗性にも優れています。スパイクを使用しない一般的な利用者が多い場合でも、『レオタンαエンボス』なら安心です。優れた品質を併せ持つ『レオタンαエンボス』。WA(世界陸連)認証舗装材です。

WA(世界陸連)認証

WA認証書
WA(世界陸連)では、すべてのアスリートに対して、快適で安全なトラックを提供するために、全天候型トラック舗装材について、9項目にわたる基準を設けています。項目には、「衝撃吸収」や「変位」など、舗装の特性を示す内容が挙げられています。
『レオタンαエンボス』は、標準タイプとRタイプに大別されますが、いずれのタイプも、WA(世界陸連)認証を取得しています。
日本体育施設の『レオタンαエンボス』は、1999年3月1日付けで、世界2社目、国内初となるWA(世界陸連・当時IAAF)公認証を取得しました。

product.02 レオタイト工法


全天候型の陸上競技場で起こる、最大のトラブルは、ブリスタリング(=膨れ)である、と言い切っても過言ではありません。 ブリスタリングが生じてしまうと、走行性ばかりでなく、安全性も著しく低下します。 また、ブリスタリングのトラブルは、続発するケースも多く、対処療法で補修を行っていくと、トラックが継ぎ接ぎ状になるといった事態に陥ります。
私たち日本体育施設では、ブリスタリング対策に有効な手法として『レオタイト工法』をおすすめしています。

ブリスタリング発生の
メカニズム

ブリスタリング(blister ring)とは日射による太陽熱で高温になった舗装部分が膨らんでしまう現象を言います。ブリスタリングの原因としては、舗装内部に含まれる水分が太陽熱で温められることで蒸発し、その水蒸気圧によりアスコン(アスファルトコンクリート)内部に破壊が生じます。 さらにはウレタン舗装が水蒸気圧に押し上げられ、膨れを起こして凹凸が生まれ、平坦さが失われてしまうのです。
夏季、気温が高くなればなるほど水蒸気圧は短時間で起き舗装に深刻な影響を与えます。また寒冷地などの気温差の多い地域、降水の多い地域も要注意です。
ブリスタリングの発生原因となる水蒸気を除去できれば、理論上ブリスタリングは発生しません。

レオタイト工法の
特徴と施工方法

日本体育施設では、水蒸気の逃げ道を作ることに着眼し、下地に用いるアスコンを開粒度アスコンにすることで、舗装内に空隙を確保、水蒸気圧を分散させ、逃がすことにしました。
従来の抜気管工法に比べて、断然低コストで施工することができ、尚かつ、効果も均一です。また、管を埋設する工程がない分、基盤を平坦に造成することができます。

レオタイト工法 下地処理状況

『レオタイト工法』では、アスコン層の表面にセメントと樹脂の混合ペーストを塗布します。 これによって、温度に左右されない安定した表面強度が保持できます。そのため、ウレタン舗装との接着力もアップします。

product.03 クーリッシュコート


陸上競技場の全天候型舗装の表面は、夏期、大変高温になります。場合によっては、60℃を越すことも珍しくありません。特に近年の猛暑は激しく、軽視できない状況になっています。クラウチングスタートで手や膝をつく際に、非常に熱くことで競技を行う上でも問題となっています。
そこで日本体育施設では、舗装材表面の温度上昇を抑制する効果のある、新型トップコート『クーリッシュコート』を開発しました。

遮熱のメカニズム

『クーリッシュコート』には、熱を反射する顔料と、効率良く近赤外線を反射・散乱させる特殊フィラーが含まれています。
波長の長い赤外線は散乱しにくいといった性質を持っていますが、『クーリッシュコート』が赤外線を“散らす”ので、トラックに熱が蓄積されにくくなります。
こうしたメカニズムによって舗装表面の温度上昇を抑制、暑熱を軽減します。

クーリッシュコートの
施工方法

特殊なトップコートですが、従来品と同様に施工できますので、工期が長くなる等のデメリットは生じません。公認競技場でも採用して頂いております。
また、水系タイプのご用意もありますので、環境負荷を軽減しつつ、競技場利用者にもやさしいトラックを整備することも可能です。

product.04 カラー
コーディネーション工法


「陸上競技場」という場所や言葉は、“スポーツに特化された競争の舞台”といったイメージを呼び起こします。 それと同時に、トラック独特の「アンツーカ」色を思い浮かべる方も多いかも知れません。
しかし、陸上競技場は国体やインターハイの主会場になるような大規模なスタジアムばかりではありません。 市民性が高く「公園」としての機能を求められるケースも数多く存在します。公認競技場でない場合、トラックの色は何色でも良いのです。
このような着眼から、『カラーコーディネーション工法』が誕生しました。

カラートラックの特徴

例えば、青いトラック。青空に映える、鮮やかなブルー。常識を覆すトラックは、必ずや地域のシンボルになるでしょう。 それだけでなく、ブルートラックは、ランナーに嬉しい機能も持っています。 青いトラックには「鎮静効果」があるため、ランナーはリラックスすることができるのです。 また、凝視力が向上するためまっすぐ走れるようになります。

ブルートラックの機能性にこだわらず、美観を重視したトラックも魅力的です。
例えば、虹を思わせるような1トラック毎のコーディネーション。 陸上競技場の少し堅いイメージを払拭する外観です。こどもたちに、もっと楽しんで“かけっこ”して欲しい。そんな思いが溢れるような、楽しいトラックに仕上がります。

付加価値の高いスポーツフィールドをご提案し、目的に沿った施設づくりをお手伝いしていく。
こうしたコンセプトが認められ、『カラーコーディネーション工法』は、第10回都市公園コンクール建設事務次官賞を受賞しました。

施工方法

カラートラックを採用した場合でも、ウレタン舗装の施工方法は変わりません。衝撃吸収機能を果たす下層部の弾性層までは、通常の『レオタンαエンボス』と全く同じ仕様になります。
カラーリング部分は、ウレタン舗装の上層部のみですから、既存のトラックでも、一定量を切削すれば、カラートラックにリニューアルすることが可能です。
また、表面に色をつけるだけの工法ではないので、色落ちの心配がありません。『レオタンαエンボス』と同様、走行性も抜群です。

product.05 ウレタン舗装の
専門的施工方法

ウレタン舗装の施工には、気温や風向きなどの要員が影響するため、品質確保には最適工期の確保が不可欠です。工期短縮に終始するあまり、トラブルを起こすトラックになってしまっては、価値がありません。
日本体育施設では、「いかにトラブルを起こさないトラックをつくるか」ということに対しても、積極的に取り組んでいます。

ウレタン舗装厚検査

特に公認競技場など高度な施工を求められるウレタン舗装においては、mm単位の断面構造になっています。また、走路と助走路では舗装厚が2mm異なる等、非常に細かい内容になっています。 特に公認検定を受ける際は、ルール上、この決まりを厳守しなくてはなりません。
ウレタン舗装を厳密に仕上げるためには、下地を高精度に完成させておくことが、必須条件。高精度な測量を基に下地を補正、不陸を極限まで減らしていきます。規格遵守というだけでなく、ウレタン舗装を精確に施工することは、コスト管理上も重要なことです。

ブリスタリング対策

下地サンディング

ウレタン走路施工状況

アスコン舗装水分チェック

ブリスタリング(膨れ)は陸上競技施設にとって大きな問題です。この問題を回避する有効策として、『レオタイト工法』をおすすめしていますが、 それと合わせて、舗装内部の水分チェックも十分行い、ブリスタリング対策に万全を期しています。

ウレタン舗装 縁石巻込部

このほか、“はがれ”や“めくれ”といったトラブルを防止するため、ウレタン舗装の端部を縁石に巻き付ける施工方法を採用する等、さまざまな工夫を取り入れています。

施工管理

舗装工事の主軸となるウレタン敷設時は、さらに細心の注意を払って、質を確保。ウレタンは危険物ですので、取り扱いにも十分留意します。
搬入時のウレタン材料は2液に分かれており、それを現場で撹拌・混合、人の手で敷設します。硬化前は“全天候型”の言葉からは程遠い状態で、気温や湿度に大きく影響されます。施工性のアップダウンも激しいので、 ウレタン舗装の施工には、百戦錬磨のスタッフが対応致します。

各層の敷設が終わるごとに、舗装厚やレベルを精査。硬化を待ち、順を追って緻密に塗り重ねていきます。
最表層部のエンボス層を仕上げた後、マーキング、ライン等を設置し、トラック全体を完成させます。