クレイコート

クレイコート(もしくはクレーコート clay court)はその名の通り土(=clay)をサーフェイスに利用した舗装です。土といっても様々な素材があり、天然の土にソイルバインダー(塩化マグネシウム、塩化カルシウム等)を混合したものや、スポーツ用舗装材として作られた人工土などがあります。
クレイコートは一般的に、ボールのバウンドスピードが緩やかになり、テニスではラリーが長く続くことになり、試合にも打ち合いの傾向が現れます。また、スピンもかかりやすく、他のサーフェスとは違ったテクニックが選手に求められます。
主な国際テニス競技大会ではクレイが利用されたテニスコートが会場になることも多く、四大大会の全仏オープンではアンツーカを用いたレッドクレイを採用。アメリカではグリーンクレイが親しまれています。

product.01 レッドクレイコート

『レッドクレイコート』とは、世界最高峰のテニス大会のひとつ、「全仏オープン」でも採用されているサーフェイスです。クレイ舗装の一種ですが、表層の材料は天然土ではなく人工土です。

レッドクレイコートと
全仏オープン


全仏オープンは、5月末~6月初旬にかけて行われ、全豪、全英(ウィンブルドン)、全米と並ぶ4大大会(グランドスラムとも呼ばれる)のひとつです。フランスの首都であるパリ郊外、ブローニュの森に隣接するテニスコート、スタッド・ローラン・ギャロス(Stade Roland Garros)で開催されています。
この全仏オープンは、最も波乱が起こる試合として、ファンを魅了し続けてきました。
その原因は、サーフェイスにあります。 全仏オープンの舞台であるスタッド・ローラン・ギャロスのサーフェスは、『レッドクレイコート』です。『レッドクレイコート』はバウンドが高く弾み、球速が速くならないという特徴を持っています。そのため、ラリーが続き、試合が比較的長くなるため、流れが2転3転し、観客は目が離せなくなるのです。
そのため全仏オープンではクレイコートに慣れた選手が優勝する傾向があり、グランドスラムを制することを目指すテニスプレイヤーにとって、最大の障壁となっています。

レッドクレイコートの魅力

レッドクレイコートはそうした難しさがある一方、大きな魅力を備えています。
ラリーが続きやすいので、試合や練習の内容が自然と戦略的になり、若い選手が育ちます。また、体力や腕力のピークが過ぎた後も、経験や駆け引きを生かした試合を楽しむことができます。
身体に優しい点も大きなメリットで、表層の滑らかさとプレー感は抜群。従来型のアンツーカ舗装と異なり、メンテナンスも容易です。

ナショナルトレーニングセンターの
レッドコート

現在、国内のテニス界では、『レッドクレイコート』の利点に注目が集まっています。 それに呼応する形で、2007年12月、ナショナルトレーニングセンター(NTC)に 全米オープン会場と同様の『ハードコート』2面だけでなく、全仏オープン会場(ローランギャロス)と同様の『レッドクレイコート』2面が整備されました。いずれも日本体育移設が手掛けたテニスコートになります。

フランスの技術と伝統をそのままに

こうした数々の特長は、全仏オープン会場のローランギャロスと同仕様の『レッドクレイコート』だからこそ生まれます。そのため当社では、世界標準のローランギャロス仕様に徹底的にこだわり、コートづくりを行っています。材料には、フランス産の石灰岩クラッシュとレッドクレイを使用し、施工技術に関しても、本場フランスの技術者に学びました。
国内で、過去に多数存在した『アンツーカコート』とは、全く異なる手法でコートをつくりあげます。

『レッドクレイコート』の表層を構成する主素材は、石灰岩クラッシュ。石灰岩クラッシュの仕上がりが、コートの性能に大きく影響します。レッドクレイは、コート表面に適度な滑りを与え、鮮やかな美しさを添える役割を担います。
一方、従来型のアンツーカは、表層に50mmのアンツーカを使用するのが一般的です。
最表層は同じように見えても、断面は全く異質。『レッドクレイコート』は、『アンツーカコート』と一線を画するサーフェスなのです。

レッドクレーコートの施工方法

簡単に、『レッドクレイコート』施工の流れをご紹介します。
まずは、極めて細かい粒径に製造された石灰岩クラッシュをフランスから輸入します。 それと同時に、レッドクレイも入手します。フランス産のレッドクレイは、非常にきめ細やか。ほかに類を見ない均一性の高い材料です。

石灰岩クラッシュ敷き均し

材料搬入後、石灰岩クラッシュを敷き均します。この時、重機は一切使用しません。人の力で丁寧に行う伝統の工法を採用。

レッドクレイ散布

仕上げに、レッドクレイを散布します。転圧と散水、整地を繰り返しながら、コートを染めるようなイメージで作業を進めます。
最後にラインとネット等を設置します。ラインは、釘を使用しない樹脂製のものが、フランスでは主流。釘の劣化や抜けたときの危険がなく、とても安全です。
完成後の日常的なメンテナンスは、散水とブラッシングだけでOKです。

product.02 スマートクレイ

『スマートクレイ』は、クレイコートのプレイ感を持ったサーフェイスで、適度な滑り感と衝撃吸収性があり、省管理で維持できる人工クレイコートです。

スマートクレイの特徴


クレイコートは、一般的に、球速が速くなりにくいため、ラリーを楽しめると言われています。また、身体への負担が少なく、市民プレイヤーやジュニア世代も安心して使用できるといった特徴に加え、ソフトテニスのプレイヤーからも整備が望まれている舗装材です。
しかし、降雨直後の使用が難しい点やメンテナンス性を敬遠される傾向があります。
そこで日本体育施設では、稼働率や維持管理面の問題をクリアしながら、クレイコートの利点を再現する舗装材について調査と研究を行い、人工クレイの取り扱いをはじめました。
『スマートクレイ』は、排水性の高いニードルフエルトのロール状マットに、着色珪砂である『カラーコートサンド』を充填した構造です。『カラーコートサンド』が、コート表面に適度な滑りを与え、マットのクッション性が、プレイヤーへの負担を軽減します。

スマートクレイの施工方法

簡単に、『スマートクレイ』コート施工の流れをご紹介します。
まず、下地アスファルト舗装の平坦性と表面排水勾配の施工管理を厳密に行うことによって、『スマートクレイ』の特長である排水性を確実にします。

スマートクレイ割付・敷設

材料を搬入し、ロール状のマットを割付けた後、敷設します。マットと下地は、接着剤を用いて貼付します。ジョイント部に関しては、小型のローラで転圧し、段差や隙間ができないよう、特に留意して施工します。

ライン塗布

ラインは、耐摩耗性が高いウレタン樹脂を現場塗布します。段差もなく、安全です。

カラーコートサンド散布

その後、『カラーコートサンド』を専用機で散布、充填します。充填材を均一にするため、ブラッシングして仕上げます。
完成後の日常的なメンテナンスは、ブラッシングだけでOKです。

product.03 クレイテック


『クレイテック』は、適度な滑り感と衝撃吸収性を持つ、省管理で維持できる人工クレイコートです。
基本構造は、『スマートクレイ』と同じですが、『クレイテック』の充填材は、本場フランス産の高品質なレッドクレイ。プレー感に大変優れており、色鮮やかな仕上がりになります。(参考/『レッドクレイコート』)

クレイテックの特徴

『クレイテック』の最大の特徴は、クレイコートが持つプレー感を満喫できることです。国際テニス連盟(ITF)から、コート球速等級(CPR)カテゴリー1-SLOW、の認定を受けており、実際にヨーロッパでは、『レッドクレイコート』と同等として、10年以上前から利用されています。

また、排水性に優れるため、降雨後も速やかに利用することができます。『クレイテック』・『スマートクレイ』共通の『ニードルフエルト』は、水を素早く通しますので、表層の泥濘化を招きにくく、良好なコンディションが保てます。そのため、一般的なクレイコートの持つ維持管理の難しさがありません。
利用後の日常的メンテナンスは、ブラッシング程度でOKです。

クレイテックの施工方法


施工手順は、『スマートクレイ』と同様、下地アスファルトを高精度で仕上げた後、材料を搬入、ロール状のマットを割付けて、敷設します。

異なるのは、最後に充填材としてレッドクレイを使用する点です。作業は、すべて人の手によって丁寧に行います。

product.04 グリーンコート
(緑色スクリーニングス)

クレイ系の舗装材は、衝撃吸収性に優れるため、身体へ負担が軽いという利点がありますが、風雨に弱く、管理を要するという短所も持っています。
こうしたデメリットを低減するのが、人工の土を使用したクレイ系舗装です。
テニスコートに適した人工土には、「緑色スクリーニングス」や「アンツーカ」があり、日本体育施設の『グリーンコート』は 質の高い舗装を造成できるように粒度調整した「緑色スクリーニングス」です。

グリーンコートの特徴


『グリーンコート』は、天然の緑泥片岩を粒度調整したもので、目に美しく、表面の安定性は抜群です。また、一般の砕石スクリーニングスとは異なり、丸みを帯びた粒で構成されているため、安全性にも優れます。

加えて、『グリーンコート』の土粒子は、一般のクレイ系素材よりも比重が大きいため飛散しにくいといった長所も持ち合わせています。さらに、有機分を含んでいませんので、雑草発生率を大幅に抑えられます。除草作業が不要になるだけでなく、雑草によるクラックや不陸も生じません。

グリーンコートの施工管理

ローラー転圧

表層の仕上がり精度は、プレー性に直結します。そのため、レベルチェックに終始するのではなく、硬度や滑りについても適宜確認しながら、コートを完成させます。 ポイントは不陸整正後の転圧。『グリーンコート』の湿り具合を調整しながら転圧を繰り返し、適切に締め固めます。

ライン設置

表層完成後、必要に応じてライン等を設置します。ラインはテープ状の場合が多く、一般的には、釘を打ち込んで固定します。 安全性を確保するために、釘を使用しない埋め込みタイプのラインを採用するケースもあります。

テニスコート以外の
グリーンコートの適正

テニスコートに適した『グリーンコート』舗装は、陸上競技場やゲートボール場のサーフェスにも好適です。
陸上競技場においては、ランナーのキック力をしっかり受け止めるだけでなく、スパイクの抜けも良いため、心地良い走行感が得られます。 競技会や選手向けの施設ではなく、市民性の高い競技場やトラックにぴったりです。
また、『グリーンコート』は、砂を混合することによって、 排水性とクッション性を高めることができます。
よりソフトな仕上がりになる『ソフトグリーン舗装』は、学校校庭や公園の多目的広場などで、数多くご利用頂いております。 目的に応じて、お選び下さい。