野球場舗装の
種類とレイアウト
(天然芝・人工芝)

野球場の図面(平面図)を広げた時、内野と外野が同じ、または別々の舗装材が利用されていることがわかります。野球場の舗装材には主に天然芝、人工芝、そして土が用いられ、用途や目的によってどの部分もしくは全体に利用されるかが決められます。
日本体育施設では、こうした野球場に合致する舗装方法を専門のスタッフがご提案から施工まで手がけています。こちらで紹介する天然芝や人工芝、土(クレイ)との組み合わせのなかで、「黒土混合土舗装」や「アンツーカ舗装」については別ページで詳しくご紹介していますのでリンク先をご覧ください。

product.01 野球場の天然芝舗装
(一部クレイ舗装)


国内において、“スポーツ用舗装材としての芝生(スポーツターフ)”が広く認知されるようになった時期は、サッカーJリーグの発足と重なっています。 そのため、『スポーツターフ』という言葉を聞くと、まず、サッカーフィールドをイメージされる方も多いでしょう。
しかし、スポーツターフは、サッカーだけのものではありません。野球場の舗装材としても、数々の利点を持っています。

天然芝舗装の特徴

何よりもまず、内外野天然芝の球場は、プレーヤーにとって安全で快適。そして、観る人にも心地良い点が、大きなメリットです。
野球の本場アメリカでの流れを追うように、日本でも近年、天然芝の球場が見直されつつあります。 稼働率重視で、ドーム型の球場が相次いで建設されたり、人工芝が注目されたりしてきましたが、それとはまた別に、 芝生の爽快感や“ボールパーク”という考え方を大切にする人々も増えてきたからです。
※ボールパーク|野球のプレイ向けとしての野球場だけでなく、観戦者の体験を意識して「アミューズメントパーク」のようにアトラクションなどの遊楽施設を設置して、観戦をより楽しんでもらい集客につなげる考え方
しかし、生きた芝生となると管理の問題を避けて通ることはできません。 用途や目的に応じて、維持管理の水準は変化します。
私たち日本体育施設では、スポーツターフに従事する専門スタッフが、各球場に合致した維持管理プランをご提案します。

マツダスタジアム広島の例

2009年4月にオープンした、広島東洋カープの新しい本拠地「マツダスタジアム広島」は、内外野天然芝の野球場です。
MAZDA Zoom-Zoom スタジアム広島のホームベース
芝生の瑞々しい緑が映えるよう、塁間やマウンドにはアンツーカ混合土が採用されており、緑と赤のコントラストが鮮やかな、魅力的なフィールドになっています。

施工の際は、事前に床土の土壌分析を実施し、必要な改良材を混合して、芝の生育環境を整えました。

機械まき芝工法
また、短期間でターフを形成するために、ティフトン芝の苗を現場で植え付ける『機械まき芝工法』を採用。 育成管理された圃場から切り出した芝を、洗浄・殺菌し、芝苗の鮮度を重視して施工しました。
シート養生と散水
施工後は、速やかに育成管理へ移行し、光透過性の高い養生シートで保護したり、タイミングを見極めて散水を行ったり、と細やかに管理しました。
現在も引き続き、総力を結集して、ターフの管理に臨んでいます。

product.02 野球場のクレイ×
天然芝舗装

少年野球や草野球、学校の部活動で親しまれている地域の球場は、多くの場合“土と芝生”で構成されています。 つまり、内野をクレイ舗装・外野を天然芝にしたパターンです。 このタイプが、国内では標準的なレイアウトになっています。

クレイ×天然芝舗装の特徴


内野をクレイ舗装・外野を天然芝にしたレイアウトは、プレー感と衝撃吸収性に優れています。 内外野共、適度な滑りとクッション性があり、身体への負担を軽減できます。
また、夏場の温度上昇が比較的小さく、建設コストを抑えられるといった利点もあります。

内野には、黒土をベースにした混合土を採用するのが一般的ですが、最近は、良質の黒土が入手しにくいこともあり、 材料の選定には注意が必要です。
施工完了後は、管理作業を継続的に行うことでコンディションを維持します。 特に黒土混合土の内野は、適切な管理を行わないと、粉塵や降雨時の泥濘化等、トラブルを起こすようになります。専門的なケアを要する場合もありますが、日常的な不陸整正やブラッシング、散水等は、効果的な作業です。
外野には、ティフトンや改良コウライシバなどの暖地型芝生が良く利用されますが、 冬季は生育が止まり、損傷から回復しなくなるので、利用不適となります。
管理は、散水や刈り込みといった育生作業に加え、 外野守備位置の補修等を行います。また、内野との境界部は段差が生じたり、固結したりするため、必要に応じて、補修します。

product.03 野球場の人工芝舗装
(一部クレイ舗装)

過去の人工芝は、クッション性に乏しかったり、火傷の心配があったり、さまざまな課題を抱えていました。 しかし近年、急速に改良が進み、降雨時でもコンディションが低下せず、安全性やプレー性に優れた人工芝が続々と開発されました。 主流なのは「ロングパイル人工芝」と総称されるもので、施工例は増加傾向にあります。

人工芝舗装の特徴

現在人気のロングパイル人工芝は、長いパイル(茎葉部)からなる人工芝と、パイル間隙を埋める充填材で 構成されています。

クッション性のあるゴムチップや、粒度を調整して固結しにくくした硅砂等を充填してパイルを立たせ、天然芝のようなプレー感と風合いをつくります。プレーイングクオリティは天然芝に近く、安定しています。
砂塵や泥濘化のトラブルが無く、天候に影響されないので、利用制限は必要ありません。稼働率を上げたい施設に適しています。

人工芝舗装の維持管理

日常管理はブラッシング程度ですが、内野のクレイ舗装との境界部については、 土が人工芝に入り込んで固結しやすいため、土を除去する作業が必要です。 また、塁間や野手の定位置は比較的パイルが摩耗しやすいので、部分的な補修が必要な場合もあります。
上記のロングパイル人工芝のほか、野球場に適した人工芝舗装として、パイル丈が短いタイプも存在します。 これは非充填型の人工芝で、クッション機能に優れたアンダーパッドが付属しています。より一層、天然芝の質感に近く、 耐久性に優れる舗装材です。