陸上競技場
インフィールド向け
舗装材の比較

陸上競技場のインフィールド舗装材の種類と特徴を比較してご紹介します。
天然芝及び球技用のロングパイル人工芝と、スポーツターフΛを比較して紹介します。

①スポーツターフΛ(ラムダ)
②ロングパイル人工芝
③天然芝

section.01 性能の比較

1.スポーツターフΛ(ラムダ)

種別:投てき実施可能な人工芝
国内で陸上競技場の多目的利用を実現するために開発。砂と固結防止材、細粒ゴムチップを充填し、天然芝の構造に近い。衝撃吸収性を高めるため下地には砕石路盤を採用。パイル長は130mまたは150㎜(充填厚t=100または120mm)。
陸上競技場の公認取得:1~4種・4種Lまで取得可能
投てきに対する特性:表面は砂が主で落下地点に痕跡が残ります。落下の衝撃を吸収する構造のため、投てき用具が落下地点から大きく弾んだりすることは少ないです。

2.ロングパイル人工芝

種別:球技用ロングパイル人工芝
日本陸連第4種L公認競技場に使用が可能で、サッカーやラグビーの過密使用に耐えうる人工芝舗装材。天然芝の形状、肌触りに近いパイルを使用し、砂とゴムチップを充填した人工芝。パイル長は40~65mm程度が一般的です。クッション性を高めるアンダーパットを使用する場合うもあります。下地舗装は、平坦性、排水性を考慮すると、開粒度アスファルトが一般的です。
陸上競技場の公認取得:4種Lのみ取得可能
投てきに対する特性:投てき競技は、実施できません。

3.天然芝

種別:スポーツターフ(天然芝)
国内では、暖地型芝(または寒地型芝)を主体にウィンターオーバーシードにより、常緑を維持する施設が一般的です。高いターフクォリティーを維持するため、路盤層には排水性を重視した単粒度砕石を使用。芝床は透水性の高い洗い砂又は混合土を~300mm程度使用します。さらに保水性、保肥性を高めるために土壌改良材を混合します。
陸上競技場の公認取得:1~4種・4種Lまで取得可能
投てきに対する特性:落下地点に痕跡が残る。落下時の衝撃を吸収するため投てき用具が落下地点から大きく弾んだりすることはありません。一方で落下痕の補修に手間がかかります。

section.02 ライフサイクルコストの比較

公認競技場の場合は、5年に1度の公認更新に合わせてメンテナンス工事を行う事が一般的であり、
5年単位の改修を目安に積算しました。仮定での積算であり、実際には維持管理方法、利用頻度等により変動いたします。

 1.スポーツターフΛ(ラムダ)

『スポーツターフΛ(ラムダ)』は、建設費と15年に1度の表層の張替え、5年に1度の中規模改修、1年に1度の専用機械によるメンテナンスを計上して試算いたしました。

20年間での大規模改修は1回、中規模改修は3回、20年間ライフサイクルコストは3.6億円です。
稼働時間は、年に1度のメンテナンス以外は年間360日以上を終日使用できます。

 2.ロングパイル人工芝

ロングパイル人工芝は、建設費と10年に1度の表層人工芝の張替え、5年に1度の中規模改修、1年に1度の専用機械によるメンテナンスを計上して試算いたしました。

20年間での大規模改修は2回、中規模改修は2回、20年間ライフサイクルコストは3.7億円です。
稼働時間は、年に1度のメンテナンス以外は年間360日以上を終日使用できます。

 3.天然芝(暖地型芝+ウィンターオーバーシード)

建設費と10年に1度の表層天然芝の張替え(レベル調整)20年に1度の芝床の全面改修、年間維持管理等を計上して試算いたしました。

20年間での大規模改修は2回、 20年間ライフサイクルコストは5.2億円です。
稼働時間は、芝生の育成養生やメンテナンス作業を除いた年に150日、1日4時間程度の使用となります。

天然芝舗装はイニシャルコストが安い一方で、維持管理にかかるコストが高いため、ロングパイル人工芝舗装や『スポーツターフΛ(ラムダ)』と5~7年でコストバランスが逆転します。
また、天然芝の場合は必要となる芝生の育成養生やメンテナンスが必要ない、ロングパイル人工芝や『スポーツターフΛ(ラムダ)』は、稼働時間が長く費用対効果の高い舗装材です。
さらに、球技用のロングパイル人工芝に比較して、芝生の丈が長く耐久性に優れた『スポーツターフΛ(ラムダ)』は、張替え頻度が下がるため長期的には省コスト、省管理で運用できる舗装材となります。